本日のテーマはモチベーションです。
モチベーションは「やる気」「活力」などの事で、
仕事、勉強、そして運動といった分野において、
昔から議論される事が多いテーマの1つです。
「運動しなきゃいけないけどやる気が出ない…」
という初級者的な悩みもあれば、
「更なる向上のために集中力を上げたい…」
という上級者的な悩みまで広くあると思います。
モチベーションは目標を達成するために必須ですから
それを高くキープし続ける事に対して多くの人が
関心を持つ事は至極当然の事です。
そこで、今回はモチベーションを確実に高める方法として、
フィードバックの研究からわかってきた有益な情報を
シェアしたいと思います。
自己啓発で言われるような抽象的な話ではなく、
現場で使える具体的なモチベーションの話をします。
メインは運動の話になりますが、仕事や勉強など他の分野にも
応用できる内容ですので、興味ある方は是非見ていって下さい。
フィードバック
この言葉がどれだけ浸透しているかわりませんが、
フィードバックとは物事の反応・意見・評価の事です。
例えば、料理の練習をしている人が試食してもらって
「美味しい」「不味い」「甘い」「しょっぱい」などの意見を
もらうのはフィードバックの1つです。
他にも、受験勉強をしている人が模擬試験を受けて、
「A判定」「B判定」などを受けるのもフィードバックです。
こうしたフィードバックが物事の達成に必要なのはわかると思いま
同時にモチベーションにも大きく関与しているのです。
フィードバックこそがモチベーションの源泉と言っても過言では無
フィードバック無しにモチベーションを語る事は出来ません。
そんなフィードバックですが、スポーツ科学の分野において、
4種類に分けて考えられる事があります。
それは、
・結果-外的フィードバック
・結果-内的フィードバック
・知識-外的フィードバック
・知識-内的フィードバック
ですが、1つずつ見て行きましょう。
結果-外的フィードバック
「結果」というのは、客観的にわかる事実で、
「外的」というのは、身体外部の事を差します。
先程の例で言えば、模擬試験で出るA判定とかB判定などで、
トレーニングで最もわかりやすいのは「重量」です。
「〇〇kg上がった!」みたいなのは典型例ですが、
筋トレをしている人なら、これが強力なモチベーションに
なるというのはわかりますよね?
ウェイトトレーニングする人のモチベーションが
重量に左右されている事は非常に多いと思います。
その思考が顕著になったのがパワーリフティングや
ウェイトリフティングという競技です。
彼らは重量のためには全てを犠牲にするくらい
ここのモチベーションが高いと言えます。
もう1つ分かりやすいのは「体重」や「体脂肪」です。
ダイエットやボディメイクのためにトレーニングしている人は
この数値が非常に高いモチベーションになると思います。
「胸囲」「ウェスト」「腕回り」などのサイズを測るのも近いです
他にも「速度」や「跳躍高」などもここのフィードバックに入りま
この辺はファンクショナルなトレーニングで扱われる事が多く、
動ける体を目指す人の重要な指標にもなると思います。
結果-内的フィードバック
「結果」というのは、客観的にわかる事実で、
「内的」というのは、身体内部の事を差します。
わかりやすいのは、特定の動作ができるようになるという事です。
例えば、懸垂とか、倒立とか、バク転とか。
できなかった動作が、できるようになるというのは
モチベーションを大幅にアップさせます。
ストリートワークアウトをやってるような人達は
特にこのモチベーションが高いと思います。
ヒューマンフラッグとかプランシェとか
そうした超人技ができるようになるために
日々トレーニングに励んでしまうわけです。
但し、ここはストリートワークアウトで出て来るような
非常に難易度の高いものだけを差しているわけではありません。
それこそ、開脚やブリッジ、前転や後転、或いは正しい呼吸など、
当たり前にできるはずの動作を取り戻すというのも当てはまります
健康意識の高い人は、ここへのモチベーションが強いと思います。
知識-外的フィードバック
「知識」というのは、主観的に感じる情報で、
「外的」というのは、身体外部の事を差します。
冒頭の例で言えば、料理を作って試食した人から、
味の感想をもらうような事です。
その感想には嬉しいものも悲しいものもあるかと思いますが、
いずれにせよ、外部からもたらされる情報はモチベーションに繋が
SNSをやってる人は「いいね」や「コメント」をもらう事で
モチベーションが上がると思いますが、それも同じです。
トレーニングで言えば、トレーナーからの指導や
本などの教材からヒントを得るようなものです。
フォームの改善に繋がる説明は勿論、
何故それをする必要があるのかなどの論理も重要です。
これは大人になるほど大事です。
年を重ねるほど人は理屈っぽくなっていきますから、
理由付けを含めた解説というのがモチベーションには
欠かせなくなって来るのです。
話を戻しますが、励ましや賞賛のようなフィードバックもあります
「素晴らしい!」「大丈夫!」「成長してる!」
みたいな事を言われるのもモチベーションに繋がります。
単純に見えますが、結構協力です。
知識-内的フィードバック
「知識」というのは、主観的に感じる情報で、
「内的」というのは、身体内部の事を差します。
これは身体感覚の話になるので説明が非常に難しいのですが、
シンプルに分かりやすい例が1つだけあります。
それは、新しい刺激です。
マンネリという言葉がある通り、人間は同じ事をしていると飽きま
いくらベンチプレスが好きだと言っても、
毎日ベンチプレスだけをやっていると嫌いになります。
人間の脳は新しい事を好みます。
毎日新しいニュースを見たくなるように、
トレーニングも常に新鮮さが欲しいのです。
具体的に言えば、運動のバリエーションを増やすという事です。
モチベーションのために運動パターンはかき乱さねばなりません。
どれだけ既存の運動パターンを壊して、
バリエーションを豊富にさせるかが重要なのです。
ちなみに、バリエーションはモチベーションの向上だけでなく、
適応能力の範囲を拡大したり、オーバートレーニングを防ぐ効果も
非常に重要な概念だと思っています。
僕のセッションでは毎回必ず新しいトレーニングを入れますが、
その背景にはこうした理由があります。
あなたが考えるべき事
以上、4つのフィードバックを説明しましたが、
これらの総計でモチベーションが決められます。
この事を踏まえて、各自考えるべき事があります。
まず、1人でトレーニングしている人は、
この4つのモチベーションを自身で管理する事です。
1人だと特に「知識」の側面が疎かになりがちですので、
意識的に情報を入れ続けていく事を心掛けてみて下さい。
次に、トレーナーを付けている人や付けようとしている人は、
今回の4つの視点からトレーナーを評価する事です。
トレーナーの実績に惑わされないで、
自分のモチベーションを最大限に高めて
目的を叶えてくれるかどうかを考えてみて下さい。
最後に、トレーナーをしている方は4つのモチベーションを
しっかり理解してクライアントに実践してあげる事です。
自分の実力や知識にあぐらをかく事無く、
クライアントが心地良く結果を出していけるよう
効果的にモチベーションを導いてあげて下さい。