
「体をもっと大きくしたい!」
「もっとパワーが欲しい!」
と思っているけど、なかなか理想通りに体が
成長してくれないと悩んでいる方は結構います。
特に痩せ体質であったり、筋肉の付きづらい
体質の方は1年頑張ってトレーニングを続けても、
見た目がほとんど変わらないという悲劇もあります。
今回はそんな方達に向けて、成長が止まっている
壁を乗り越え、一段階上の肉体を手に入れる
具体的な方法をお伝えしたいと思います。
特にボディメイクをされる方や
ストレングスを重視している方にとっては、
必須の概念になって来るので興味あれば見てみて下さい。
それでは早速始めたいと思いますが、
バルクアッププロジェクトでやる事はザックリ、
食事を増やし、運動を圧縮する事です。
運動の圧縮というのはピンと来ないかもしれませんが、
全体のボリュームを下げながらも1回1回の負荷を高めます。
その心は、筋肉への負担を維持しながらも、
消費カロリーを減らす事にあります。
要は体内にエネルギーを余らせまくるのです。
摂取カロリーを増やし、消費カロリーを減らす事で、
体は余裕を持って大きくなっていく事が出来ます。
多少脂肪は付くし、内臓にも負担がかかりますが、
それはプロジェクトとして一時的なものなので、
ある程度は許容して実行していきます。
増量のための食事
では具体的に何をしていくのか?
まずは食事から説明したいと思いますが、
第1に食事回数を増やします。
最低でも1日3食、できれば5食にします。
何故、食事回数を増やすかと言えば、
やはり筋肉の分解を防ぐためです。
筋肉は思っているよりも
ずっと早く分解されていきます。
筋肉は基礎代謝の半分以上を占めるという事で
ダイエット効果が高いともてはやされる事がありますが、
逆に言えば筋肉はそれだけ維持にエネルギーが必要です。
栄養が入ってこなければ筋肉はアミノ酸に分解され、
肝臓で糖分に変換され、見る影も無くなってしまうのです。
空腹状態が続くような1日2食の習慣では
筋肉の分解はかなり早く進んでいます。
いくら筋トレをして筋肉の合成を高めても、
分解の力も勢いよく亢進してしまうため、
筋肉の劇的な発達は起こり辛くなっています。
ですからこのプロジェクトにおいては、
食事回数を増やして適宜、栄養を補給します。
こまめに食事を摂る事により筋肉の分解を妨ぎ、
合成が圧倒的に上回るようにしてあげるのです。
ではどんな食事を増やすべきか?
1番は「糖質」です。
筋肉が使うエネルギー源のメインは糖質です。
筋組織にある糖質の事を筋グリコーゲンと呼びますが、
筋肉は主としてこれを栄養源としています。
つまり、筋肉は糖質によって維持されています。
糖質が無ければ筋肉はエネルギー不足になって、
自らを分解しなければなりません。
しかし、十分な糖質さえあれば、筋肉は分解される事無く、
そのままの状態をキープし続ける事ができるのです。
ですから、糖質を多めに摂取します。
先程、筋肉の分解を防ぐために食事回数を
増やしましょうと言いましたが、具体的には
適宜、糖質を摂りましょうという意味です。
また、糖質には筋肉の分解を防ぐという
ディフェンシブな働きだけではなく、
合成を高めるオフェンシブな働きもあります。
筋肥大と言うとどうしてもタンパク質だけを
考えがちですが、実は糖質にも筋肉の発達に
関わる重要な役割があるのです。
その1つはタンパク質を筋肉へ輸送する働きです。
筋肉はタンパク質で構成されているのはご存知の通りですが、
食べたタンパク質が筋肉へ移動するためには糖質が必要です。
具体的には、糖質を摂取すると血糖値が高くならないよう
インスリンというホルモンが分泌され、糖を肝臓、筋肉、
脂肪に詰め込んで行くのですが、このインスリンに
タンパク質が相乗りする事ができます。
インスリンによって糖分が筋肉に運ばれる際に、
「オレもオレも」とタンパク質さんが便乗して来ます。
この作用により、筋肉に素早くタンパク質が補充され、
筋肉が発達しやすくなるのです。
そしてもう1つ、糖質の重要な働きですが、
実は糖質は筋肉になります。
半端に知識があると驚いてしまう事実ですが、
糖質は筋肉そのものになるのです。
どういう事か?
筋肉がタンパク質からできているのは確かですが、
糖質は体内で必要に応じてタンパク質に変換されるのです。
つまり、間接的に筋肉の材料になります。
糖質というのは極めて面白いエネルギー源で、
タンパク質にも脂質にも姿を変えられる万能型の栄養です。
勿論、必須アミノ酸や必須脂肪酸にはなれませんが、
それを除く全てのエネルギー源に変形できるのです。
糖質は過剰に摂取すると脂肪になると言う事で、
世間ではかなり悪者扱いを受けますが、
実は非常に優れた栄養源で、筋肉の発達とは
切っても切れない関係にあるのです。
勿論、摂取し過ぎるとやはり贅肉になってしまいますが、
そこは後で落とせばいいので余り気にしないで下さい。
このプロジェクトでは太る事は余り考えず、
ひたすら体を大きくする事に専念します。
さて、もう1つ食事で重要なのは、
当然タンパク質を増やす事です。
筋肉の構成材料のメインであるタンパク質の
摂取量を増やし、その合成力を高めます。
タンパク質は消化酵素を大量に消費するので、
普通は体重×1~1.5gが推奨されますが、
ここでは体重×2~4gまで増やして下さい。
これだけの量になると食事のみでの摂取は難いため、
足りない分はプロテインで調整する事になると思います。
注意点として、胃腸への負担を大きく感じたら、
腸内菌やタンパク質分解酵素のサプリを併用して下さい。
さて、では1日の中で具体的にどんな
食事を摂っていけばいいのか?
朝食は以前紹介したフルーツボウル
なんかは良いと思います。
フルーツの糖質と豆乳のタンパク質が摂取できて、
健康面への心配も無い理想的な食事です。
昼は魚や肉の定食を食べて下さい。
揚げ物は禁止で、生か焼いたものが良いです。
おやつにはプロテインを飲みます。
昼食と夕食の間は時間が空いてしまいますので、
その間の食事として簡易なプロテインがお勧めです。
少し糖質が配合されていると理想的です。
筋トレ後には枯渇した糖質の補充として、
オニギリなどの軽い炭水化物を食べて下さい。
同時にプロテインも飲みます。
糖質とプロテインを同時に摂取する事で、
インスリンによるタンパク質輸送を最大限利用します。
夕食はそこまで食べなくてもいいですが、
それでもいつもよりやや多めにはして下さい。
内容は個人個人で変わってくると思うので、
色々と工夫してもらえたらと思います。
筋トレの圧縮
次は運動です。
最初に言った通り、全体のボリュームを下げながら、
1回1回の負荷を高めて行きます。
ボリュームを落とすにはセットを減らします。
たくさん食べている分、たくさんセットを
こなしたくなる気持ちもあると思いますが、
そういう事をすると消費カロリーが上がって
バルクアップが効果的に進みません。
セット数を減らしてエネルギーを余らせて下さい。
目安はメインを2セットです。
例えばベンチプレスだったら、
1回目:20kg×10rep(ウォームアップ)
2回目:40kg×10rep(ウォームアップ)
3回目:60kg×5rep(ウォームアップ)
4回目:80kg×6rep(メイン)
5回目:80kg×5rep(メイン)
という感じです。
本来ならメインは1セットでも十分なのですが、
何かあった時の事を考えて一応2セットと
余裕を持っておくと良いかと思います。
そして、ボリュームを減らした分、
いつもより集中して行って下さい。
メインの2セットは1回1回限界を超えるつもりで、
パワフルにスピーディに重りを持ち上げます。
重量も普段より1つ上に設定しても良いと思います。
糖質を余分に摂取しているので、
いつもより重い物が上がる可能性があります。
最後は「もう無理!」という状態まで追い込んで下さい。
こうする事で、トレーニングボリュームが減っても、
筋肉への必要性が訴えかけられて、筋肥大が起こります。
それから、分割法を用いるのが良いと思います。
1日に色々な筋トレを詰め込んでしまうと、
どうしても全体のボリュームが増えてしまい、
消費カロリーが上がってしまいます。
また、多くの種目をこなす事になると、
集中力が切れて来て、最後の方では
限界を突破出来なくなります。
ですので、最低でも胸、背中、脚の日に分割し、
場合によっては肩、腕などの日も作って、
細かく分けていけると良いと思います。
また、休息日を設ける事も大事です。
とにかく体にエネルギーを余らせたいので、
適宜筋トレしない日を作ります。
「太るのが心配」と思われる人もいると思いますが、
バルクアッププロジェクトでは「太るのが仕事」
だと思って乗り気って下さい。
いつまでやる?
最後に、プロジェクトの期間ですが、
それは目標を達成するまでです。
始める前に数値目標を掲げておいて、
基本はそれが達成されるまで続けます。
数値に何を採用するかは人によって違いますが、
一般的には「胸囲」と「体重」で良いと思います。
計測も簡易ですし、体の成長具合を
客観的に正しく判断できるはずです。
逆に、ウェストと体脂肪は余り気にしないで下さい。
先程から言っているように、
太っても構わないと言う気概が必要です。
太るのを気にしていたらいつまでたっても
体は大きくなっていかないので、心を鬼にし、
一時的にデブになるつもりで取り組んで下さい。
という事で、バルクアッププロジェクトでした。